「運転」からの卒業

先日思い切った決断で運転免許の自主返納をしてきました。
筆者ではなく筆者の家族で、認知症が進み、自動車学校においての適性検査でも非常に芳しくなく、警察からも書類提出要請がありました。本人にとっては運転免許を奪われることは苦痛ではありましたが、高齢者の交通事故が社会問題化されている中、操作ミスが重大な事故を招く、強いて言えば人様の命を奪うような恐ろしいことであります。認知症で交通事故を起こした場合一切保険はおりません。リスクを説得して、本人は思い切って英断を下した事です。
近くの警察署に行き、割と簡単な手続きで免許証は返納されました。本人は50年以上ほぼ無事故無違反を続けてきました。最後も何事もなく円満に自動車運転から「卒業」されました。「卒業証書」として身分証明書として使える「運転経歴証明書」が公布され、様々な利用特典も頂いたことは言うまでもありません。

最近高齢者による悲惨な交通事故が後を絶ちません。交通事故は人々の人生を破滅させる恐ろしい事です。最近は高齢者の交通事故を防止する観点から、免許更新時に75歳に達する対象者向けに認知機能検査と高齢者講習が義務化されました。まだまだ不十分な点もありますが、それでも昔より大幅に改善された非常に良い制度だと思われます。この制度、対象者は自動車学校などで検査を受け、後ほど公安委員会から検査結果が通達されます。診断書提出命令が届き、認知症の診断書を提出した場合は「行政処分」として「免許取り消し」となります。何だか悪いことをした感じがして後味も悪いです。「自主返納制度」は自ら自動車を運転しない事を決断して運転免許を返納する事ですが、問題なく無事に車の運転から「卒業」という円満に終える事になります。跡を濁すことなく第二の人生へステップアップできますね。

認知症で車の運転免許にお悩みのご本人様、ご家族様、一度我が身を振り返り、場合によっては「自主返納」も考えてみても如何でしょうか。